【"意識的に見て学ぶ"ということ】
縄筋ばかりを気にする人に、大切なことをどう教えるか?
現在の縄会や縄教室では、ルート(縛り方の手順)やテンション(縄の圧力)などをより詳しく、その全てを教わりたい人が多いように感じます。しかし、緊縛には、口頭で教えきることが難しいのが事実です。それは決して教え方の問題ではなく、教わる方の実践や探究によって心と体で感じ取り、より練習回数をこなすことでしか取得できないところ、感性によって取得していくところも多いのです。この事についてスキル、経験、知識を伝え、共有する最善の方法を見出そうとしました。自分がどのように学んできたか、何が有効だったのか、私自身の「縄の旅」を振り返ってみると、他人の縄を観察することにより吸収し、そしてそれを実践に応用してきたことだとわかりました。
私にとって緊縛を学ぶというのは「見る(注視する)」ことであり、直接わかりやすい指導を受ける機会はあまりありませんでした。師は何が「間違っている」のかは指摘してくれても、「正しい」方法を明示してくれるわけではなかったのです。当時は不満を抱くこともありましたが、今にして思えば、自力で答えに辿り着かせようとしてくれていたのでしょう。会話の中に散りばめられたヒントやアドバイスをかき集め、目の前で行われる緊縛をよく見ていくことで修行してきました。縄を学ぶにあたっては、実際の緊縛を見ることが一番有効だと思います。そのような勉強の仕方を見直してほしいという考えから、今回のオンラインでの動画配信を始めました。
○緊縛日記のビジョン・目指すところ
緊縛日記はシリーズとして1〜2ヵ月毎に新しい動画を追加していきます。また、撮影後の解説やヒントなどのボーナスコンテンツを充実させていく予定です。更に、オンラインフォーラムやライブストリーミングなどで交流やディスカッションができるようにしていきたいと思っています。
学びに終わりはなく、研鑽は生涯続きます。議論は、自分自身の考えを振り返って評価するための手段であるとともに、視野を広げ新たな気付きを得るための手段でもあると考えています。そのためにも、この「緊縛日記」が教材や質疑応答に終わるのではなく、交流・反省・探求の場になることを期待しています。